(この記事ははてなダイアリーで書いたものを一部修正したものです)
# rain1『水なしで飲めるタイプと飲めないタイプのがあるのはどうしてですか?』
次は、涙目で微妙な勝ち組宣言をしているrain1さんの質問です。これもまた微妙な紹介の仕方ですね。わははは。
早速ですが、回答に移りましょう。
水なしで飲めるタイプの錠剤、口の中で形が崩れて飲み込んだり、バリバリ噛み砕いて(噛み砕かなくてもいいんですけど)飲み込んだりします。専門用語で言うと、チュアブル錠といいます。
チュアブルというのは「噛むことができる」という意味のchewable(もちろん英語)からきています。chewといえば、チューインガムのチューと一緒ですね。これらの「新しい」タイプの錠剤がはじめて登場したのは…うーん、いつだっけ、忘れてしまいました(←エキスパートとして失格)。最近は健康食品にもこれらの技術が応用されて、製品としては結構な数になってきています。
これらはもちろん、水なしで飲める事を目的として開発しています。理由は…
「水がなくても飲めるから便利」
単純なようですが、意外と思いつかないものです。
市販の製品だと、移動中のバスの中で気分が悪くなってもすぐに飲めるように考えられた、酔い止めの薬などがあります。まあ、市販の薬については私なんかより、皆さんの方がよっぽど詳しいかも知れません。
技術的には水が無くても胃の中(や口の中)で錠剤が崩れて分散し、吸収されやすくなるように、添加剤や製造方法を工夫しています。や、本当は専門家(しつこく繰り返す)らしく、もっと詳しく書きたいんですが、あんまり書くと守秘義務に違反する恐れがあるので、技術的なお話はこれぐらいで勘弁してくださいな。
「じゃあ全部水なしで飲めるようにならないの?」
うーん、いい質問です。
今のところチュアブルにできるものはその内の限られたものなんですね。
薬の有効成分というのは実にさまざまな物理的化学的な特徴を持っています。例えば薬の有効成分には味が苦い(←卒倒するほど苦い)だとかそういうのもあって、そういうのは味を隠すためにいろいろ工夫してるんです。これをチュアブルにするには、さらに技術的に改良する必要がある…ということなんですよ。
…と言いたいところですが、これはまあ言い訳です。技術的には恐らく大抵のものはチュアブルにすることが可能です。
じゃあ、本当のところは…
…
…
…
ずばり「お金」
お金なんですよ。
皆さんもご存知のように薬の開発には多額の資金が必要です。そして、技術的に改良するということは、製造コストが高くなります。
さらに、売り出されたあとは、医療用は薬価というものに値段を縛られ、一般用は価格競争にさらされます。
ということで、製薬会社からみれば、売れる見込みが立たないと、チュアブルにするメリットが無い…だから、儲からないものは改良しない…と、まあ、そういうことです。
…
…
…
あ、ちょっとヤバイ話をしちゃったのかなあ。まあ、これは私と皆さんだけの秘密ということでお願いします。
また、長くなっちゃった。今日はこの辺で。
あ、そうそう、錠剤とは関係ないんですが、カプセルは水なしで飲むと、食道で張り付いて炎症を起こしたりする可能性がありますので、必ず水と一緒に飲んでくださいね。