今回は「新薬が承認された直後の副作用は予見しうるのか?」というちょこっと社会派っぽい話題でいきます。ええ、私は社会派コラム=モテとかいう誤ったイメージを持ってますよ(非モテを代表する発言)。
とか何とか偉そうに言っちゃってますけど、元々は『池上孝之助への手紙』の池上さんから投げかけられていた話題です。
まあ、そんな事はぐだぐだと説明してもしょうがないので、とっとといきましょう。
元となったニュースはこちら(↓)
リウマチ薬服用した5人死亡 医療機関に注意喚起
医師(と薬剤師)を運転手に、薬を自動車にたとえてみますね。いい喩えかどうかわかりませんけど。
承認直後の薬はなんというかまあ、試作車みたいなもんです。ゲームでいうと初期のベータテスト。性能だってよくわかんないし、どんなところが危ないかというのも、設計段階である程度予想しているような状態です。
ところが、運転手は普通に走る。横に乗ってるセールスマン(=MR)も「先生、これ、乗り心地いい(効きめがいい)でしょ?」と言う。時速40kmくらい出して(時にはそれ以上で!)一般道を走る。性能がよくわからないのに。ブレーキがどれだけ利くかまだわからないのに。
…
…事故るっちゅうねん。
(なぜか関西弁)
…
…
一ついえるのは
「新しい薬は危ない」
ってことです。製薬会社と医師の思惑が必ずしも患者を向いているとは限りませんよ。
…あ、だんだんまずい話になってきた。この辺で打ち切りますよ。この話題。
(社会派=モテを挫折した瞬間)
…とか言ってられないので、一応ニュース記事も解説しておきます。ちょっと専門的になってしまいますけど、ご勘弁を。
記事で述べられているアベンティス社の「アラバ」(一般名:レフルノミド)について、厚生省から公開されている審査資料を確認してみました。
国内の臨床試験の段階では間質性肺炎の副作用は365名中1名だったようです。これは添付文書にも頻度0.1%未満として記載されています。
一方でニュース記事によると、このアラバ、昨年9月に発売されて、すでに約3400人が服用しています。市販直後の安全性については全例調査となっていますから、この服用した人すべてが、調査されていると考えてよいでしょう。
あ、ちなみにこの3400人という数ですが、国内のリウマチ患者が30万人程いると考えられていますので、多いのか少ないのかは判断しかねます。
話を元に戻しましょう。365分の1で発生すると仮定すると、3400人に投与した場合では、単純計算で9名程度に間質性肺炎の副作用があっても不思議ではないわけです。
実際には16名発生しているようです。
…ということは間質性肺炎の副作用が発生して、死者が出てもおかしくない状態にあったわけです。ただ、審査の段階では肝機能障害、骨髄抑制といった副作用について重点がおかれていて、間質性肺炎についてはほとんど触れられていません。
この件に関して言えば、間質性肺炎という副作用が注意の対象から外れていたということに5名の死者が出た原因があったのでしょう。
製薬会社と医師が不注意だったと言われても仕方ありません。
と大雑把に解説してみました。
なお、この件については、『ホーライの無頼日記』の1/27付の日記でも解説されています。私の記事よりもためになると思いますので、ぜひご参考に。
あんな変な投げかけで申し訳ありませんでした。(もうちょっと的確な質問が出来ればよかったのですけどね。。。)
池上のとこは動物薬なんで、副作用関連+残留濃度(というのですかね?)で此方の方が重要らしいです。(うる覚え)
まぁ、皆様の口に入るものですからね。効果があって、しかも残らない。そう云うのって難しいんだそうです。
それに、相手が動物なので「どうですか?」と自覚症状が聞けない。(当たり前ですね)
そこがどうもやり難いと言う話も聞きました。
いつもありがとうございます。
動物薬ですか。動物には動物の難しさがありますよね。耐性菌とか。
という、あからさまなネタフリはともかくとして(笑)、人間だって似たようなもので、薬を飲んで異常があってもせいぜい「気持ち悪い」「痛い」ぐらいしか言わない(わからない)ので難しいものです。
あ、あと、投げかけはいつも大歓迎です。
これからも「素朴な」質問をお願いします。(でも難しいのは嫌です(笑))
新薬とはいえ,どんな副作用が出るかは開発している当人達は知っているはずです・・・
特に副作用が重篤であればあるほどに.
でも,その頻度を推し量るのは非常に難しいです.
治験は(質のいい)患者を選んでキレイなデータをそろえるように行います.
しかし,実際に市販されると治験のようなキレイなデータを作れそうな患者だけじゃなく
有象無象のヘンな合併症を持った患者とかに使われるので,開発時のデータにはそぐわないことが起こっちゃうんです.
・・・というのが開発する側のイイワケでした.
患者さんを死なせちゃぁ いけませんけどね.