「典子は、今」は思い出せましたが、松本典子(アイドル)の行方は思い出せません。つるです。
前回に続いて、サリドマイドがオーファンドラッグ指定を受け、がん治療薬として復活の道を歩みはじめたというニュースに関するお話を。
サリドマイドが希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されました。オーファンドラッグというのは患者数5万人未満の重篤な疾病が対象で、医療上、特にその必要性が高いか既存の医薬品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待できる薬に国から開発を手助けしましょうという制度で、指定されたからといってすぐに販売できるわけではありません。普通の医薬品と同じように指定→開発→申請→承認というステップを踏みます。
製薬会社を彼、厚生労働省を彼女にたとえて説明すると、指定を受けるのは、彼女に告白してOKの返事をもらったということ、開発は交際期間、申請は婚約で、承認が結婚といった感じでしょうか。
ちなみにこの制度、貧乏な彼のために、彼女から助成金という名目で開発費用がいただけます。デート代です。でも、そこで大林素子を思い出すのは厳禁です。製薬会社は「だめんず」じゃないから。あ、でも「だめんず」もいるのか。どことは言えませんが○○薬品とか○○○○ジャパンとか。
さて、オーファンドラッグに指定されたら、すぐに販売できるわけではないと書きましたが、どのくらい販売できるまでにかかるのでしょうか? 調べてみました。
今までに希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)として指定を受けて、その後承認された医薬品のデータを集めてみると、指定されてから承認されるまでに平均して2年10ヶ月ほどかかっています。最短だとHIVの治療薬で2ヶ月というのもあります。付き合い始めてからゴールインまで2ヶ月なのは何かしら大人の事情があると思いますが、大人の事情なので親しい友人や家族以外は本人たちに聞かないのが暗黙のルールです。
逆に最長だと102ヶ月…8年半もかかっているものもあります。ずるずると交際を続けていたけど、やっと定職につけたので結婚に踏み切ったという感じでしょうか。オーファンドラッグの指定を受けてから11年以上開発しつづけている根気強い薬もありますが。彼が定職についていないのかもしれません。
また、当然ながら、交際しはじめたからといって全てのカップルがゴールインするわけではなく、「私たちやっぱりダメみたい」ということでお別れということもあります。そこで、石田純一と長谷川理恵を思い出したりしてしまうと縁起が悪いので、二人が付き合っていた事実そのものを忘れるのが吉です。
話は戻って、サリドマイド。サリドマイドがオーファンドラッグとして指定を受けましたが、その製薬会社は、あの当時サリドマイドを売りつづけていた大日本製薬ではありませんでした。贖罪とか考えたりしてもいいんじゃないかなとは思うのですが、きっと、2005年10月に迎える住友製薬との合併の準備に追われて、サリドマイドどころじゃなかったんでしょう。仕方ないですね。
合併して社名を変更し新しい会社として再出発するという手法は、旧ミドリ十字でも取られています。が、ミドリ十字の場合は現在の社名「三菱ウェルファーマ」が「三菱」というだけでマイナスイメージを持たれてしまうので、その辺りはきっとささいな問題なのでしょう。過去の薬害を社史から消すことができるというのはいいのかもしれません。
あ、このあたりの話は大日本製薬が手を上げなかったという話とは全く関係ありません。
結局のところサリドマイドの開発に手を上げたのは藤本製薬という会社でした。
藤本製薬? 前回も述べたとおり、サリドマイドはどう考えても開発リスクの高い薬なので、この会社が開発に乗り出したのは何か裏があるのではないかと疑いました。疑い深いのは私の性格的なものなので、本当に失礼きわまりないです。はじめにお詫びしておきます。
最初は株主対策かとも思ったのですが、株主は「同族」なのでその線は無し。次に売名行為を考えました。私の性格が捻じ曲がっているせいで、関係者の方々には不愉快な思いをさせているのかもしれません。あらかじめお詫びしておきます。ずっとお詫びしておきます。
調査の結果、藤本製薬は1998年に「カイロック」というH2ブロッカーで特許権侵害訴訟を起こされて、当時としては最高額の30億円の支払いを命じられて(その後和解)いて、特許権に関する訴訟では必ず例として出てくるくらい、すでに十分知名度のある製薬会社であることがわかりました。
売名行為でもありませんでした。疑ってしまい申し訳ありませんでした。あ、そうそう、サリドマイドの特許は既に切れているので今回は知的財産にからむ問題が無いので安心ですね。
では、やはり金の問題なのでしょうか? まさかそんな。
現在、サリドマイドは国内で承認されていないので、治療にサリドマイドを必要とする患者さんは個人輸入によって入手しています。輸入量は年間約53万錠(2003年度)、その価格は1錠(100mg)で約1000円です。
そういえば、今、不意に思い出したのですが、以前、サリドマイドを国内で無許可製造していた事件がありました。その時には7万8000錠を380万円でとある病院に渡していました。「思い出した」と書いたわりにはやけに記憶がはっきりしていますが、ぐぐって調べたにもかかわらず、ヒットした先が明らかにヤバ目なページでリンクできないとかそういう理由ではありません。まあ、そんなことはともかく、7万8000錠で380万円ですから、単純に割り算して、1錠の価格は約49円。
これが個人輸入の価格、1錠あたり約1000円で、輸入量そのままの約53万錠を販売できるとすると、単純に計算しただけでも年間5億3000万円の販売が見込めます。いや、それはいくらなんでも暴利をむさぼりすぎですので、個人輸入の価格の半額、500円で販売することにしましょう。そうすると、年間2億6500万円。その製造原価を上の例から算出すると、約2600万円。人件費やら輸送費やらなんやらのコストがかかったとしても少なくとも年間1億円の利益は見込めるんじゃないかと思います。
ちなみにオーファンドラッグ指定のさい、藤本製薬は「国内での製造を目指す」とコメントしていましたが、先ほど書いた“サリドマイドを無許可で国内製造していた会社”は藤本製薬と同じ大阪府にあります。恐ろしい偶然です。
しかしながら、私は、たった1億円程度の利益でサリドマイドのような極めてリスクの高い薬に手を出すのは危ないと思うのです。たとえるなら大当たりが1/500の低確率でなおかつ確率変動に入らないCR機を打つようなものだと思います。そんな機種がもしあったとしても、パチンコで生計を立てている凄腕な皆さん(通称:パチプロ)だったら座りもしないでしょう。
それと同じように、藤本製薬はこんなリスクの高い薬を単純に金目当てで開発するはずはないと思うのです。
ということで、やはり…
サリドマイドの開発は藤本社長(仮名)と藤本会長(仮名)と藤本専務(仮名)が取締役会で「クスリ(薬)で国家社会に奉仕し、最大より最良たれの会社でありたい。」という創業者の哲学を守った結論なのだと思います。
黒い大人のヒトのブログ(株)は藤本製薬を応援しています。