史上最悪の花粉症対策(3)

前回までをお読みになって、西部警察よろしく道行くディーゼル車を爆破しましたか? 上司に辞表を提出して、「製材業」をリクナビNEXTで探したりしましたか? まだですか? 一言いいたいことがあります。早まるな。つるです。

さて、花粉症の治療方法には主に薬物療法,減感作療法,手術療法の3つのパターンがあります。順に簡単に説明していきましょう。「やっとまともな話をする気になったか」などと思われていそうですが、私は最初から真剣です。話の方向性がおかしいだけです。

まずはじめに薬物療法。
これは抗アレルギー薬やステロイドを使い、鼻水などの花粉症の諸症状を抑えます。
鼻から薬を投与する場合もありますが、どこかのクラブで入手した粉を鼻から吸引してクールにキメるのは間違ったやり方です。注意しましょう。

また、治療と称している割には、薬を飲んでも花粉症は治りませんが、これは不具合ではなく仕様です。医者と製薬会社の陰謀などといううがった見方をしてはいけません。治療と称してスタンガンを当てたり、性行為に及んだりするよりははるかに良心的です。

次に減感作療法。
これは薄めた花粉のエキスを少しずつ注射するものです。治療期間が長くなる(2年以上)うえにすべての人に効くわけではない(有効率は60%~80%程度)といわれ、この治療を行なってくれる病院を探すのに一苦労といった現状ですが、今のところ花粉症を根治する唯一の治療法です。

ちなみに、スギにとっての花粉は人間にとっての精液みたいなものですが、精液を注射するとうつに効くだけです。あ、注射する場所が違いますか。あ、注射じゃなくって注入ですか。そうですか。

最後に手術療法。
鼻の中の粘膜をレーザーやトリクロール酢酸という薬品で焼いて、花粉をつきにくくする方法です。こちらも60%以上の人に効果があるようですが、一年も経つと、粘膜は元に戻るって効果がなくなるといわれています。

なお、タバコの火でヤキを入れると、傷は一生残りますが花粉症は治りませんのでくれぐれもご注意ください。

…というように、治療法はあります。ただ、花粉症の治療は「効果がない」という人も多くいます。なぜでしょう? さまざまなところを調べてまわった結果、答えは意外なところで見つかりました。

先日、キリンビールがインターネットで「花粉症」に関する意識調査というアンケートを行った結果を発表しました。そして、そこからは典型的な「花粉症に悩む人」のイメージが浮かびあがってきました。それは…

(1)事前に予防はしない、症状が出てからあわてて対処し、
(2)症状が出てからも「うがい」「マスク」という手軽なもので済ませ、
(3)そのあとイヤイヤながら「病院で処方される薬」を使います。

さらには

(4)効果には「眠くなる」「体質改善につながらない」と不満タラタラで、
(5)さらには7000円程度で「カネがかかる」と貧乏丸出し、
(6)薬は効かないから、サプリメントや健康食品とかお茶を試せば、
(7)もしかして治るのではないかと思っています。

…治るか。ボケ。

と思わず素でツッコミを入れたいところですが、そうではありません。この人たちは「そのうち治るだろう」という根っからのポジティブ思考な人たちなのです。怠け者でケチで能天気ですが。

花粉症の自然治癒率、つまり、何もしないで勝手に治ってしまう確率は0.2~0.5%で、ほとんどの人は還暦を迎え、赤いちゃんちゃんこを着る60歳頃まで花粉症に悩まされつづけます。
しかしながら、怠け者でケチで能天気なアンケート回答者たちは例外で治るのです。キーワードは「プラセボ効果」

有効成分を含まないにもかかわらず、「薬を飲んだ」という意識から治療効果が出るというものです。花粉症を含むアレルギー性鼻炎では特にプラセボ効果が高く、有効成分を含まない偽薬が30%を越える高い有効性を示したこともあるのです。

「治る」と信じ込んだら治るんです。信じ込ませたもの勝ちです。つまり、「ポジティブに考える」だけで治療効果があるのです。成功しているマルチ商法と同じやり口です。レッツ・ポジティブ・シンキングやで。

そして、あのアンケートの回答者たちは、ケチで怠け者ですけれども、きわめてポジティブな姿勢を示しています。

…というわけで

キリンビールは再度インターネット上で「花粉症」に関する意識調査のアンケートを実施するべきだと黒い大人のヒトのブログ(株)は主張します。立ち上がれインターネットキッズ。(いいかげん長くなりましたが次が最終回です)

なお、きちんとした治療を受ければ80%以上の方が症状が改善する、ということは念のためお伝えしておきます。

tsuru の紹介

株式会社オフィスコトウ取締役
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